不倫で訴えられたら裁判の対応をどうすべきか

query_builder 2024/08/24 不倫問題

不倫をしてしまい、配偶者または不倫相手の配偶者から訴えられることになった場合、どのように対応すべきか。

本記事では、訴訟の流れや、弁護士の選び方、証拠集めのヒントなど、包括的に説明します。無事に裁判を乗り越えるための一助となるよう、わかりやすく解説します。

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第1:不倫裁判とは

まずは不倫裁判の基本的な枠組みを理解しましょう。どのような状況で不倫裁判が行われるのかなどの基礎知識からお伝えします。

不倫裁判の概要

不倫裁判の概要を理解するためには、まず不倫裁判がどのようなケースで起こるのかを把握する必要があります。

不倫裁判は、結婚している夫または妻が、配偶者以外の者と肉体関係を持った場合(以下「不貞行為」といいます。)に、その行為により結婚生活に悪影響が生じ精神的損害が生じたとして、不貞行為をされた配偶者から損害賠償請求(慰謝料請求)を求める裁判を起こされた場合に発生します。

また、結婚している男性または女性と不貞行為をした場合に、当該不貞行為者が、不貞行為をされた配偶者から損害賠償請求を求める裁判を起こされた場合に発生します。


そのため、不倫裁判では、基本的に、原告は不貞行為をされた配偶者であり、被告は、不貞行為をした配偶者または、既婚者と不貞行為をした者となります。

裁判では、不貞行為の存在が認められるかどうか、既婚の認識または認識可能性の有無、不貞行為当時すでに婚姻関係が破綻していたかどうかや、仮に一定の損害賠償請求が認められるとしてその損害の大きさがどの程度かなどが主な争点となりえます。

争点については、当事者双方から、関係証拠(書証や関係者証言)に基づく主張が交わされた後、最終的意には裁判所が判断を下します。

訴訟の結果により、損害賠償請求が認められるだけでなく、その後の夫婦間の離婚問題にも影響が生じる可能性もあります。


不倫裁判において、弁護士の役割は非常に重要です。弁護士は法的な知識と経験を持ち、クライアントを代表して適切な訴訟戦略を立て、裁判上で的確な主張を行います。また、当方の主張を裏付ける証拠を的確に証拠提出し、また、相手方の提出した証拠に証拠価値が認められないことを主張し、ときには相手方の提出した証拠の弾劾を行います。

また弁護士は、クライアントに対して、裁判の流れや手続きについての説明を行うだけでなく、裁判の見通しなど法的なアドバイスも行います。


不倫裁判において、被告となった者は、原告から厳しい責任追及を受けることで、感情的に非常につらい状況となりえますが、弁護士の助けを借りることで適切なアドバイスとサポートを受けることができます。裁判の結果によっては、慰謝料の支払額の減額を得ることができたり、慰謝料の支払いを完全に免れることができる場合もあります。


不倫裁判は、請求が認められた場合には、一定の金銭的な負担を負うだけでなく、夫婦間でのその後の離婚問題への影響も生じるため、弁護士の選択は慎重に行う必要があります。経験豊富でかつ熱心に対応してくれる弁護士を選ぶことで、自身の権利を守るために最善の解決策を見つけることができます。

不貞行為と法律

不貞行為と法律の関係について理解することは不倫裁判において重要な要素となります。不貞行為とは、既婚者が配偶者以外の人と性的関係(肉体関係)を持つことを指します。

日本の法律では、不貞行為は民法上の不法行為として、損害賠償請求の対象となります。

民法上、婚姻した夫婦においては互いに貞操義務が定められており、配偶者以外の者と性行為を行うことは貞操義務違反となります。また、既婚者と性行為を行った場合には、夫婦の間の婚姻共同生活の平穏が害されることとなります。

このため、不貞行為は、民事上違法とされており、不法行為に基づく損害賠償請求の対象となっております。

不貞行為に基づいた訴訟では、原告が不貞行為の存在を証明する立証責任があります。そのため、被告が不貞行為の存在を否認した場合には、原告側において、証拠に基づき、不貞行為の存在を証明することが不可欠です。例えば、メールやSNSのやりとり、写真、音声録音、動画、GPS情報、目撃証言、日記などが証拠として提出されることがあります。裁判所はこれらの証拠を総合的に評価し、不貞行為の有無を判断します。

裁判所が不貞行為の存在を認め、それ以外の争点について被告側の主張が認められない場合には、裁判所は被告に対し一定の慰謝料の支払いを命じることとなります。

慰謝料は、不貞行為をされた配偶者が、不貞行為により被った精神的苦痛についての補償を受けるために支払われるものです。裁判所は、事案の内容等に照らし、原告が受けた精神的損害がどの程度なのか、双方の主張立証を踏まえて、慰謝料の金額を決定します。

不倫裁判では、不貞行為と法律の関係を正確に理解し、適切な訴訟戦略を立てることが重要です。それを支援するために、経験豊富な弁護士のアドバイスを受けることをおすすめします。弁護士は、法的な知識と経験を活かしてクライアントの権利を守るために全力で取り組みます。

第2:弁護士の選び方

次に、弁護士の選び方を詳しく解説します。専門知識や経験が必要となる不倫裁判の場面において、弁護士に対応を依頼する場合、弁護士はどう選べばよいのでしょうか?

弁護士の役割

不倫裁判では、必ずしも弁護士に依頼せず、自身で裁判対応を行うことも法律上は可能です。

しかし、不倫裁判においては、専門知識や経験を有する弁護士に依頼することで、裁判において的確な対応が可能となり、場合によっては、自身に有利な結果を得られる可能性も高まるため、弁護士に依頼することが有用です。


弁護士はクライアントを代理し、裁判所での訴訟活動や法的手続きを担当します。では、具体的に弁護士が果たす役割について見ていきましょう。


まず、弁護士はクライアントに対して法的アドバイスを提供します。不倫裁判では、法律の専門知識と経験が必要となります。弁護士はクライアントに対して、訴訟のメリットやリスク、裁判の進行過程や可能性のある結果(見通し)について説明し、適切な判断を支援します。

また、弁護士はクライアントを代理して裁判上で主張立証を行います。訴訟では双方の主張と証拠が交わされるため、弁護士はクライアントの立場を最大限に弁護し、訴訟における有利な条件を確保するために最善を尽くします。弁護士は的確な法的論理や証拠の提出を通じてクライアントの権利を守ります。

さらに、弁護士は訴訟に関連する文書の作成や審理の準備を行います。

不倫裁判を起こされた被告側での弁護活動としては、答弁書や準備書面の作成提出や、証拠の収集や選別、有益な証拠の提出などを行います。不当訴訟の場合には、反訴状を作成の上、反訴を行う場合もあります。弁護士は適切な法的プロセスに基づいてこれらの手続きを遂行し、クライアントの立場を最大限に強化します。

弁護士の役割は単なる法的な支援にとどまりません。不倫訴訟は感情的かつ複雑な問題を含んでいるため、弁護士はクライアントに対して心理的にもサポートを行います。裁判を起こされ、被告側で裁判対応を行うことは大きな精神的ストレスや不安を生じさせます。弁護士はクライアントを励まし、冷静な判断を保つために必要なサポートを提供します。

不倫裁判において適任の弁護士を選び対応を依頼することは非常に重要です。経験豊富で、かつ自身に寄り添い熱心に対応してくれる弁護士であれば、適切なアドバイスと戦略を提供し、クライアントの利益を最大化するために全力を尽くします。弁護士との信頼関係を築き、不倫裁判において、ふさわしい結果を導くことが重要です。

弁護士の選び方

弁護士の選び方は、不倫裁判において適切な解決結果を得るために非常に重要な要素です。では、弁護士を選ぶ際に考慮すべきポイントについて見ていきましょう。

まず、経験と専門知識が重要です。不倫訴訟は複雑な問題を含んでおり、法的な専門知識と豊富な経験が必要となります。弁護士の経歴や専門分野を確認し、不倫訴訟に関する豊富な経験を持つ弁護士を選ぶことが重要です。また、過去の類似ケースの成功率や結果も参考にすると良いでしょう。

また、信頼性も重要な要素です。弁護士との信頼関係は、訴訟の過程でクライアントの助けとなります。弁護士にはクライアントの情報を共有する必要があり、その情報を守り、クライアントの利益を最優先に考えることが求められます。信頼できる弁護士を選ぶためには、事前に弁護士の評判や口コミを調べたり、実際に担当弁護士の法律相談を行い、直接話をしてみることが有効です。

さらに、コミュニケーション能力も重要です。弁護士との円滑なコミュニケーションは、最良の結果、納得した結果を得るために欠かせない要素です。

弁護士は複雑な法的用語をわかりやすく説明し、クライアントに対して優れたコミュニケーションスキルを持っていることが重要です。面談を通じて、弁護士とのコミュニケーションがスムーズに行えるかどうか、この弁護士であれば依頼して安心かどうかを確認しましょう。

また、依頼後も弁護士と直接コミュニケーションが取れるのかどうか、連絡手段は、電話やメールなのか、面会して話すことも可能なのか、最近では、担当弁護士とチャットツールを使って直接コミュニケーションが取れる事務所もあります。依頼後は、弁護士とあまりコミュニケーションが取れないというのでは、事件解決まで不安が生じる可能性がありますし、解決結果に十分な満足が得られない場合もありえますので、事前に確認をするようにしてください。


また、費用についても考慮する必要があります。不倫裁判は長期にわたるケースもあり、弁護士費用がかさむことがあります。弁護士の料金体系や費用の見積もりを事前に確認し、自身の予算を踏まえて選ぶことが重要です。

ただし、費用の多寡だけを基準に弁護士を選ぶのではなく、信頼して任せられるか、弁護士と密に連携しながら解決まで進められるかなど総合的に考慮することも忘れないでください。

弁護士の選び方は不倫裁判の結果に大きな影響を与える要素です。経験や専門知識、信頼性、コミュニケーション能力、費用などを総合的に考慮し、自身に最適な弁護士を選ぶことが重要です。弁護士のサポートを得ながら、できる限り望ましい解決結果を目指して対応していくことをお勧めします。

答弁書や準備書面などの書面の作成

不倫裁判を起こされた場合、書面で反論をしていく必要があります。このセクションでは、書面の作成に焦点を当て、役立つ情報を提供します。

答弁書や準備書面とは

答弁書とは、訴状に記載された原告側の主張に対して、意見や反論がある場合に、被告側においてその意見や反論をまとめた書面のことを言います。

具体的には、答弁書には、請求の趣旨に対する答弁、訴状に記載された事実に対する認否、抗弁事実、立証を要する事由ごとに重要な間接事実及び証拠を記載する必要があると規定されています(民事訴訟規則80条1項)。

答弁書は、通常、裁判の第一回目の期日の前までに、裁判所に提出する必要があります。


また、準備書面は、原告または被告が、自己の主張や相手方の主張に対する認否や反論などを記載した書面のことを言います。


答弁書や準備書面の作成には、法的な知識と正確な情報が必要となります。

原告の請求に対し、どのように認否反論を行うのが適切かについては、可能な限り弁護士の助けを借りることをおすすめします。


適切な答弁書や準備書面を作成し裁判上主張していくことは、訴訟の展開に大きく影響を与えるため、慎重に取り組む必要があります。

証拠の集め方

証拠が裁判の結果を大きく左右します。不利な状況を打開するために、どのように証拠を集めるべきか見ていきます。

証拠の重要性

証拠は不倫裁判において非常に重要な要素です。証拠は裁判所に対して主張を裏付けるための具体的な証拠となります。訴訟の結果を左右する可能性があるため、証拠の収集とその重要性を理解することは不倫裁判において欠かせません。

証拠はさまざまな形式を取ることがあります。例えば、メールやLINE、SMSやチャットのやり取り、写真や映像、目撃情報、通信記録などが証拠として提出されることがあります。これらの証拠は、不貞行為の存在やその影響に関する具体的な証明となります。

被告側において、不倫行為の存在を否認する場合には、原告側から不倫行為や不倫行為の態様などに関し証拠が提出された際には、当該証拠の信用性を弾劾することが必要となる場合もあります。


また、被告側において、不倫行為を否定する証拠が収集できる場合には、当該証拠を収集し、積極的に証拠として提出ことも考えられます。

証拠の収集は訴訟戦略の重要な一環です。証拠を収集する際には、法的な手続きを遵守する必要があります。不正な手段で証拠を入手することは法的に問題となるほか、信用性が低下する可能性があります。弁護士の助けを借りながら、証拠の収集は正確かつ適切な方法で行われるべきです。

証拠が裁判所に提出されると、裁判所はそれを総合的に評価し、結果に影響を与える重要な要素とします。裁判所は証拠の信憑性や重要性を判断し、証拠が訴訟の主張を裏付けるかどうかを判断します。したがって、証拠の適切な収集と正確な提出が不倫訴訟において成功するために重要です。

証拠の重要性を理解し、それを適切に収集・提出することは不倫訴訟において不可欠なステップです。強力な証拠は、主張を裏付けるための重要な武器となります。弁護士のアドバイスを受けながら、証拠の収集とその重要性についてしっかりと把握しましょう。

裁判の流れについて

このセクションでは、裁判の進行過程についてご説明いたします。

裁判の基本的な流れ

裁判の基本的な流れを理解することは、不倫裁判において重要です。以下に、一般的な裁判の流れを説明します。

まず、不倫裁判は原告(被害を受けた配偶者)が裁判所に訴えを提起することから始まります。

原告は裁判所に訴状を提出して、訴え提起します。被告側においては、訴状を受け取り答弁書を提出することが求められます。

その後、審理が行われます。裁判所において双方の主張が聞かれ、証拠の提出や証言が行われます。裁判所は訴訟の公正な判断を行い、証拠の信憑性や法的な根拠を考慮して判決を下します。途中で、裁判所から和解の打診を受け、和解協議を行う場合も少なくありません。

裁判所が判決を下す場合には、原告からの慰謝料請求について認容するか、請求金額を減額して請求を認めるか、請求を棄却するかの判断を行います。


裁判の流れはケースによって異なる場合がありますが、一般的な図式としては上記のステップを辿ります。不倫訴訟は感情的な問題を含み、複雑な場合もありますが、弁護士の助けを借りることで適切な法的アドバイスを受けることができます。

弁護士はクライアントを代表し、裁判所で主張を行い、訴訟戦略を立てることにおいて重要な役割を果たします。裁判の流れを理解し、弁護士と連携しながらスムーズに訴訟を進めることが不倫裁判においては重要です。

弁護士への相談と依頼

最後に具体的なアドバイスを求めるための弁護士への相談方法と依頼のプロセスを検討します。

相談の進め方

相談の進め方について考えてみましょう。不倫裁判において、弁護士への相談は重要なステップです。以下に、相談の進め方について紹介します。

まず、弁護士を選ぶ前に相談の目的と希望する結果を明確にしましょう。何を相談したいのか、どのような助言や支援を求めるのかを整理しておくと、相談がスムーズに進むでしょう。

次に、信頼できる弁護士を選びましょう。インターネットや知人の紹介などを通じて弁護士を探し、候補を絞ることが重要です。面談を行い、相性やコミュニケーションの円滑さを確認することも大切です。

面談の際には、自身の問題や状況について正直に話しましょう。弁護士はクライアントの情報が必要ですので、的確なアドバイスや適切なサポートを提供するためには、情報の共有が欠かせません。

また、相談時には弁護士の料金体系や費用についても話し合うことが重要です。相談時の料金や契約内容、将来的な予算などを明確にすることで、後々のトラブルや誤解を避けることができます。

最後に、相談の進展や次のステップについて話し合いましょう。弁護士はクライアントの目標に基づき、相談内容や法的な手続きの進行についてアドバイスします。次の打ち合わせや動き方を確認し、相談の進展を促しましょう。

相談の進め方は成功を収めるために重要な要素です。目的を明確にし、信頼できる弁護士を選び、正直に情報を共有しながらアドバイスを受けましょう。弁護士との相談を通じて、不倫裁判における効果的な戦略や最善の解決策を見つけることができます。

弁護士への依頼の仕方

弁護士への依頼の仕方も重要なポイントです。弁護士への依頼をする際には、以下のステップを考慮しましょう。
1. 弁護士との面談を予約しましょう。
2. 面談では、自身の問題や状況について詳しく説明しましょう。
3. 依頼内容や目標を明確に伝えましょう。
4. 弁護士の専門知識や経験、料金体系について確認しましょう。
5. 必要な書類や情報を提供し、契約書にサインしましょう。
6. 弁護士との連絡方法や報告の頻度などを相談しましょう。
依頼をする前に、複数の弁護士と相談し、比較を行うこともおすすめです。自身に合った弁護士を見つけ、信頼関係を築きながら正確なアドバイスやサポートを受けることが重要です。

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